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日本国内では標記の件について

(1) ポスティング制度の不備で、被害者となった岩隈投手がかわいそう
(2) 代理人の団野村氏が下手だった
(3) 獲る気もないのに入札で勝ったアスレチックスは汚い

…等々と議論されているのだが、いずれも極めて違和感がある考え方に思う。

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まず(1)だが、ポスティングは要するに正規ルートではなく、”条件が揃ったら特例的に移籍を認めましょう”というものだ。制度に不備があることには異論はないのだが、現在のルールに鑑みて言えば、「たとえ低い条件を提示されようとも、早くメジャー行きの夢を叶えたい」という人間が使うべき制度であり、条件が合わずに移籍できなかった選手を「被害者だ」と憐れむいうのも、おかしな話。

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そして、(2)については論外だ。代理人は「代理」をするひとであって、交渉の行方全てを決定すべき人間では、本来的にはない。自律的に交渉を制御すべきは最終的には岩隈本人のはずであり、それをもし代理人に一任したために交渉が希望通りにいかなかったのなら、その責任は岩隈本人にある。

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最も目立つ意見は(3)である。要は、獲得する気もないのに、他球団に岩隈を獲らせないように、入札で勝っておいて低い条件を提示した、というものだ。アスレチックのビリー・ビーンGMに対する印象も、そのように思わせる一因だろう。

だが、そもそも、今回アスレチックスが用意した条件自体は、決して悪くない(4年契約、年換算で約3億円相当、これは今季の推定年俸とほぼ同じ)。日本プロ野球という異質なリーグから選手を獲るというだけでリスクがあり、怪我の心配もある選手だし、直前の実績も振るわなかった。加えて、日本での実績どおり活躍できていない日本人メジャーリーガーが続出していることも考えるべきだろう。

レッドソックス移籍時の松坂レベルなら、「他の球団に獲らせないために…」というのも分からなくもないが、現在の岩隈投手がそこまでのレベルだとするのは、明らかに大袈裟だ。彼らが提示した条件でも、もし岩隈投手が呑めば、高い入札金額は払わなくてはならないのだし、アスレチックスに獲る気が無かったとは全く思えない。

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…今回の結果は、岩隈投手サイドにとっては「想定の範囲内」だったであろう。我々のような傍観者ではなく、彼らは当事者であり、プロだ。ポスティング制度の正確上、契約交渉時に条件を値切られることは、折込済みだったはず。

あと1年でFAという状況でもあり、それらを踏まえたうえで、本当にメジャーに憧れ、1日でも早く行きたいと思ったのなら、新庄剛志のように、たとえ年俸3000万円でも行ったはずだ。もっと言えば、複数年契約を断るとか、成績連動のオプション契約を交渉するとか、幾らでも選択肢があったはずだが、彼らは全くそれをしなかったように見える。

要するに、岩隈投手サイドは、「メジャーの夢を早く叶えたい」というウェットな気持ちではなく、「多分ダメだろうけど、オイシイ話になれば儲けもの、ダメだったらFAで」というシンプルかつドライな考えであったのだろうと推察されるのであって、そう考えると、冒頭に挙げた(1)(2)(3)は、いずれも少々おかしな考え方だと思えるのである。

そして、こうした点を踏まえると、日本でアスレチックスの印象が悪くなっているのとは逆に、メジャーリーグ側からみると岩隈投手の印象が悪くなったのではないか…とも懸念してしまうのである。
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